荒野の狼

続・男はつらいよの荒野の狼のレビュー・感想・評価

続・男はつらいよ(1969年製作の映画)
4.0
『続・男はつらいよ』は、1969年公開の「男はつらいよ」シリーズの2作目で93分の作品。本作の前半で、寅さんがさくらに、旅に出る理由として「惜しまれて引き止められるうちが花ってことよ。わかるだろ」と語るが、シリーズの中でもほとんど語られることのなかった寅さんの心情のつらさが込められている。
本作では寅さんの母、お菊(演、ミヤコ蝶々)が登場し、第一作では紹介されなかった寅さんの生い立ちがわかる話だが、何故、母子が別れることになったのかなど詳細は明らかにされない。本作では、寅さんは、学生時代の英語の恩師である年配の東野英次郎に気に入られ、その娘の佐藤オリエに恋をするという話が主筋。この年配の男性に気に入られるが、若い娘は堅い仕事についている好男子(本作では医師の山崎努)フラれるというパターンはシリーズのひとつの型であるが、第二作目にして完成している。
本作でシリーズを終わりにしたかったためか、最終盤に話を詰め込み過ぎた感がある。恩師を失う事より失恋した事に涙する寅さんとさくらには違和感あり。ロケは京都(清水寺〜哲学の道、嵐山・渡月橋、三条大橋)など。
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