レビューも100本目という事で大好きな作品をレビューします。
本作は、阪急電車の乗客達が主役。
密室劇ではなく、各キャラクターの抱える悩みとカタルシスを丁寧に描いていくオムニバスに近い形式。
ケイゾクからは柴田、SPECからは当麻と雅ちゃんが参戦と、ケイゾク/SPECファン得なキャスティング。
各キャラクター同士のストーリー上の絡みはさほどない。気弱な主婦を助ける戸田恵梨香、受験に苦悩する学生に背中を押す大学生二人。など結構あっさりした絡み。
その中でも濃厚な絡みは、中谷美紀と宮本信子さんの絡み。
絡みというより、宮本信子さんとの対話こそが中谷美紀の悩みを打ち消し、前に進ませるカタルシス。
中谷美紀さんも素晴らしいが、やはりMVPは宮本信子さん。
伊丹十三監督の【○○○の女】シリーズを子供の頃見ていた自分としては、涙が出そうになった。
言葉遣いは丁寧で口調は優しいが、芯が一本しっかり通った自立した女性を演じているが素晴らしい。
そして最後は、視聴者がイライラしていたある要素に対して、宮本信子さんが喝を入れる。
今の日本に足りないものを改めて痛感させられた名作。