HicK

ゴジラVSモスラのHicKのレビュー・感想・評価

ゴジラVSモスラ(1992年製作の映画)
4.0
《モスラらしい作品。思い入れ大》

【LIKE】
・コアファンからは不評、ライトファンからは好評。な印象。たぶん自分が映画館デビューした作品。小1だった自分はもうモスラしか愛せない体に。今でも大好きな作品。

・「身勝手な人間」というテーマを元のモスラ作品から引き継ぎ、今作は「環境保護」に焦点が当たっている。モスラ作品としてはぴったりのテーマ性。

・今まで以上に"地球の守護神・モスラ"が強調され、「地球は一つの生命体であり、身勝手な事をしているといつか地球が怒り出す」など、地球第一なメッセージがかなり濃かった。

・「モスラ=地球」V.S.「ゴジラ=人間の罪」の構図。「バトラ=地球の怒り」と打ち解け、罪を滅ぼす。いいね。(ゴジラも人間が生んだ被害者だけど)。

・悪い人間たちがモスラの卵やコスモスを利用しようとする展開や全体的な大きな流れは「モスラ('61)」と「モスラ対ゴジラ」をマッシュアップさせたような感じ。いいとこ取り。

・敵意が無いモスラ幼虫に攻撃をしまくる自衛隊のシーンが切ない。仕方ないけども。

・"タオルモスラ"かわよ。昭和に比べ、攻撃手段が豊富に。魔術師みたいになった。でも対ゴジラ戦の連勝記録を伸ばすには、このバランス調整は必要だったと思う。

・羽化するシーン、キレイ。夜景の中、鱗粉攻撃が映えまくる。これ好き。"極彩色の戦い"。なんだっけ?プレッシャーフィールドって技名だっけ?

・もちろんバトラも好き。アンチヒーロー、ダークヒーロー系。カッコいい。なんか幼虫のままの方が強いっすね 笑。硬そうだし 笑。

・今まで色んな"主役3人組"がいたけど、今回の3人はかなり個性が濃くて1番好きかも。小林聡美の演技が素晴らしい。セリフのリズム感が最高。

【ただ】
・思い入れある作品として好きだけど、今モスラの新作を作るとしたら、もう少しファンタジー色を減らしたものを見たい。コスモスの"魔法少女"的なデザインもいらない。

・モスラがメス扱いだったことに「キングオブモンスターズ」の時まで気づいてなかった。オスだと思ってた。笑。

【総括】
モスラらしいストーリー、モスラらしいテーマ性、モスラらしい戦い。製作陣がモスラを大切に扱ってるのが伝わってきた気がした。ゴジラもカッコいいけど、この自己犠牲というか、健気さというか、やっぱり幼い自分が心を掴まれた理由が今でもハッキリ分かる作品。
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