エイデン

ゴジラVSモスラのエイデンのレビュー・感想・評価

ゴジラVSモスラ(1992年製作の映画)
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激しい戦いの末、海底で眠りについていた怪獣“ゴジラ”だったが、小笠原諸島沖に落下した隕石の影響で活動を再開する
その一方、インドネシア諸島に浮かぶ“インファント島”では、乱開発と大型台風の影響で地中から巨大な物体が姿を表そうとしていた
それから1ヶ月
タイのアユタヤにある遺跡を訪れていたトレジャーハンターの藤戸は、隠された地下室で貴重な像を手に入れるものの、罠に引っかかり死にかけたところを当局に身柄を拘束されてしまう
それからしばらくして牢に入れられた藤戸の前に、“丸友観光”の社長秘書 安東と、国家環境計画局に出向している内閣の重役 土橋、そしてその協力をしている藤戸の元妻 雅子が現れる
彼らは地球環境の調査を使命としており、その一環で日本政府援助のもと丸友観光が開発をしているインファント島の土地で見つかった不思議な物体の調査のため、釈放を条件に島の案内をするよう迫る
渋々了承した藤戸は、2人を連れてインファント島へと足を踏み入れるのだった
環境破壊の影響を受けながらも手付かずの自然を残すインファント島に苦戦する2人を案内しながら進んでいく一行
その途中 藤戸は置き去りにする形となってしまった雅子との子みどりに想いを馳せ罪悪感を感じていた
そんな折、洞窟の中で壁画を発見する
それは藤戸から見ても数万年前に遡るほどの古代文明の痕跡だった
驚きを隠せないまま先に進むと、そこにあったのは巨大な物体
正体に不思議がっていた一行の前に、コスモスと名乗る2人の小美人が姿を見せる
彼女らによれば、この卵はインファント島の島民が崇めていた地球の守り神である怪獣“モスラ”の卵だという
困惑する藤戸と雅子をよそに、安東は丸友観光の社長 友兼に卵やコスモスのことを報告
すると友兼は観光資源になると目論み、安東に卵を日本へ持ち帰るよう命じるのだった
現状 環境破壊の影響を受ける危険性があるインファント島に置き去りにするより、日本へと輸送したほうが良いと考えた3人は、コスモスの助言もあり環境破壊へのアンチテーゼとすることを決める
しかし時を同じくして隕石の影響でもう1体の怪獣が目を覚ましていた
それはコスモスが警告する、破壊の危機を感じた地球が作り出した心優しいモスラとは対を成す破壊の化身“バトラ”
モスラの卵の輸送準備が整う中、バトラは自衛隊の攻撃を物ともせず日本へと姿を現すのだった



ゴジラシリーズ19作目
『シン・ゴジラ』に抜かれるまで日本シリーズ随一のヒット作となった作品でもある

シリーズの人気怪獣モスラがカムバック
大まかなプロットこそ昭和シリーズの『モスラ対ゴジラ』をベースにしているものの、環境破壊といった問題提起に、家族愛といったテーマ性も際立たせている印象
特撮技術の向上や怪獣という未曾有の危機を前にしたポリティカルな人間ドラマなど、リアリティを重視する傾向が出てきていたVSシリーズで、ファンタジックな存在であるモスラを上手く絡めたのは純粋に面白い

もともとの企画はモスラを主人公にした作品だったこともあって、モスラのヒーローっぷりが前面に押し出された作品
またインファント島の守り神から地球の守り神に昇進してるのもあって、地球環境を破壊する人間を諌める役割も付与されてて、母性的な印象も受けるようなキャラに確定している
ちなみに戦闘時もビーム出せるようになったり、鱗粉でゴジラの放射熱線を拡散させて無効化するなどパワーアップしてる
もう幼虫のが強いなんて言わせない

そして新怪獣として登場するのが、モスラの対となる存在バトラ
正式名バトルモスラという通り、戦闘能力に特化した血の気の多いモスラである
環境破壊を行う人間に罰を与えるような存在として位置づけられており、まさに設定としてもモスラと対となっている
とにかくバトる目的で動いてる節があるので、厳つい見た目の幼虫時からビームブッパしながら大暴れ
ゴジラ相手にも普通に立ち回るというチョココロネみたいな姿でゴジラの熱線を受けて跳ね回るモスラの幼虫とは大違いな強さを持つ強キャラ
え?成虫が弱い?
ははは、そんなバカな

モスラと共に鮮やかに蘇ったシリーズの名作なので、しっかりと観ましょう
環境破壊はダメだ
エイデン

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