よつゆ

籠の中の乙女のよつゆのレビュー・感想・評価

籠の中の乙女(2009年製作の映画)
3.6
あまりにも閉鎖的で異質な家庭内を映した本作。
その異様さを観客に強く印象づけるため、家庭内のルールや日常がほとんどの時間を占めている。そのため、この設定を楽しめないと観続けるのはちょっと大変かも。
というのも、物語自体の振り幅はそこまで大きくなく、奇妙で変な作品ではあるがそこまで物語が展開しない。

かくいう私は、そこまでこの家族の生活を見ているのが楽しくなかった。
おかしいはおかしいが、やっぱり物語に動きが欲しかった。
だから、後半、終盤は面白かった。

この閉鎖的で独裁的な家庭空間は、何かの風刺なのだろうか。
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン?のレコードを流し、父親が歌詞を訳すシーン。
プロパガンダのそれのように感じた。
なんやかんやいいつつも、結局は暴力に頼ってしまう部分も、弾圧のそれに思える。
勝手な解釈でしかないが、なにかそういう意図があるのだろうか。
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