ミヤサン

籠の中の乙女のミヤサンのレビュー・感想・評価

籠の中の乙女(2009年製作の映画)
3.3
観た直後は、なんなん?みたいな…嫌なもの観てしまった…みたいな気持ちだったけど少し時間を置くといろんなことを考えた。

父親に支配され、外の世界を知らず独自のルールで生きていく子どもたち。しかももう随分な大人。
異常で気持ち悪くて目を逸らしたくなるけど、これって程度の差こそあれどこの家庭や組織でも起こっていることなんだろうな。
各家庭ごとに独特のルールがあって、たいていの場合は親が支配者となり子どもたちが被支配者となる。ゲームはしちゃだめ、とか良い学校に行かなきゃだめ、とか。
支配者側には理由がある、この作品の中の家族にだってある。でもはたから見れば意味不明で独裁的だったりする。

私はめちゃめちゃに縛られていたわけではないけど、それでも未だに理不尽なルールや兄弟との差を思い出して腑に落ちないな〜になったりするんだよな。
当たり前のように存在する家族という仕組みや子育てという行為だけど、私はけっこうグロテスクに感じることがある。
あくまでも個人的な気持ち。

あと、やたらと動物殺すのやめてくれません??フィクションって分かってても嫌なものは嫌だ〜


全体的な雰囲気は「鹿殺し」っぽい。
長女の目覚めは少し「哀れなる〜」に重なる。(逃げだすためのあのシーン、痛そうなのに目をそらせず、行け行け!と思った)
近年の作品にいけばいくほど好きかなあという感じ。
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