ヨシイコウタ

ミッドナイト・イン・パリのヨシイコウタのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
3.6
ウディ・アレンは好き嫌いが別れる、みたいなことをどこかで読んだので、自分はどうなんだろうと思ってちょっとドキドキしていましたがけっこう面白かったです。

主演は「ダージリン急行」で長男役だったオーウェン・ウィルソンで、ぼくは彼の独特の顔立ちがなんだか好きなので観始めて彼が出てきたときは少し嬉しかったです。ちなみに「ダージリン急行」で次男役(?)だったエイドリアン・ブロディも出ていました。

セピア調のザラザラした色感で描かれるパリが印象的。まぶしく光るお洒落な街灯が映えていました。セピア調は正直そこまで好きではないですが、現代を憂い過去に憧れる人々と相まって味が出ていて良かったです。
毎夜後世に名が知れ渡っている人物たちが登場し、一人ひとりに会うたびに感激し触発されていくギルは観ていて楽しい。ただ僕自身知識が浅すぎて、自己紹介されてもいまいちピンとこない人が何人かいたのが残念でした。その人を知っていたなら、ギルのみならずこちらも何度もドキドキできたかなと思います。


場所であれ時代であれ、自分の信条の下に新天地に移り、新しい道を切り開いていこうとする二人はまぶしかった。ゆったりした物語の中で彼らは優しく暖かく光っていて、とても素敵でした。

表情豊かなオーウェン・ウィルソンに笑っちゃうところもあって、楽しく観れました。ラストも良かった。僕も「雨のパリって良いなあ」と思っていたから、こっちまで嬉しくなりました。

それにしても、ギルの書いた小説はどんな小説だったんでしょうか。どうやら彼自身も何となく関わっているみたいだし、中身が気になりますね。