ヨシイコウタ

ゆれるのヨシイコウタのレビュー・感想・評価

ゆれる(2006年製作の映画)
3.8
自分に兄弟がいるからか、ときどき重ねてみてしまったりして、切なくなったりやりきれなくなったりしたんだけれど、不思議と鑑賞後にぐったりくることはなかった。どこかでほとんど無意識に、何かしらポジティブなものを捉えていたのかもしれない。そういうのがあったと思いたい。

親子だったり兄弟だったり、近いからこそ生まれる不自由さはひどくもどかしい代物で、ときには憎むことすらあるけれど、ほんとうにふとした瞬間にそういうものが綺麗に消し飛んで、愛情(あるいはその類の感情)で胸がいっぱいになることがある。そういうときってすごく切なくなるし、心臓が小さく萎んでしまったような気がする。なんというかそういう、すくいあげるべきものを作品にした映画、という感じがする。

ラストのシーンに何を見出すか、人によって見方がけっこう変わりそう。