ヨシイコウタ

トレインスポッティングのヨシイコウタのレビュー・感想・評価

トレインスポッティング(1996年製作の映画)
3.8
めちゃくちゃクールでキレッキレだけど、時にダークで考えさせられてしまう。破滅的な青春を衝動的に生きていて最高にカッコよかった。ちなみに憧れたりはしない。

レントン(ユアン・マクレガー)の笑い方が妙に脳裏に焼きつく。どこか冷めた目をして笑う感じが、彼の現実に対するクリティカルな態度を表現していたような気がします。あと思い違いかもしれないんだけれど、もしかして鏡の前に立つ度に鏡越しにカメラ見てた? なんだかざわざわしました。

なかでも好きだったのは、悪魔的にべっちゃべちゃの汚いトイレで思いがけず遭遇するファンタジックなシーン。幻想的な音楽、幻想的に揺らめく光、幻想的な青い水、そして幻想的な座薬……ニヤニヤしながら観ました。

クラブ?か何かで若者たちが騒ぐなか、ひとり「100年後(1000年後だったかも、忘れちゃった)には性別なんかなくなっているだろう」とか考えているのが印象的。また、それを比較的肯定的に捉えているのも面白い。レントンの価値観が随所に見てとれて楽しかったです。その他のキャラクターもキャラが立っていて見てて間延びしないし、けっこう笑えたりする。ラストも良かったと思います。

本編とはあまり関係ないですが、特典映像でノエル・ギャラガー(めちゃ若い)が「訛りがキツくて半分くらいしか理解できなかった」って言ってて笑ってしまいました。鑑賞中聞き取ろうと頑張ってみたんですが全然ダメで「うーんまだまだかあ」と思っていたところ、キツいマンチェスター訛りの人が聞き取れなかったと言ってたんでそれならしょうがないやと開き直れた。そういうインタビューから監督らの作品に対する真面目なコメント等が特典映像としてたくさん収録してあって楽しめたので、そちらもぜひ見てみて欲しい。