こたつむり

プリティ・プリンセスのこたつむりのレビュー・感想・評価

プリティ・プリンセス(2001年製作の映画)
3.0
★ 大人の階段のぼる 
  きみはまだシンデレラさ

少女漫画のような作品でした。
冴えない女子高生が一国のプリンセスだと分かり、周囲の評価が一変する物語。昔の『りぼん』とか『少女フレンド』に載っていても不思議ではありません(『花とゆめ』は?)。

仕上げたのはゲイリー・マーシャル監督。
『プリティ・ウーマン』を作られた御方ですね。そりゃあ、シンデレラストーリーはお手の物のはずです。

だから、正直なところ。
ターゲットは10代前半の女子(あるいは、その頃の気持ちを忘れない女性全般)。僕のように無粋で無骨で無遠慮な輩が立入ってはいけない世界なのです。

それに表面はキラキラと輝いていても、根底に流れるのは、げに恐ろしき価値観。王族だと分かると誰もが傅き、それを不思議と思わない…そんな世界なのです。

だから、嫌味な同級生を暴力で撃退しても。
男性から男性へ乗り換える様が早くても。
友人が自分を引き立ててくれるポジションなのも。ツッコんではいけません。身の安全を保証できませんからね。

まあ、そんなわけで。
確実に僕は門外漢。何を書こうとも、その文章はガラスの破片に過ぎず、人を傷つけても救うことはありません。以後、本作については口を噤むことにします。もごもご。

…と思いましたが、少しだけ。
やはり、主人公を演じたアン・ハサウェイは美しいの一言。特に終盤の舞踏会の場面は“某王女”を彷彿させる佇まい。今では観ることが出来ない制服姿もポイントが高いですね。

それと、彼女の友人を演じたのがヘザー・マタラッツォなのも良かったです。何しろ、彼女は『ウェルカム・ドールハウス』の主人公。本作と真逆の位置に存在する作品ですからね。色々と感慨深いものがありました。

あと、個人的に一番の萌えポイントはネコ。
鳴き声を無理に当てているのは肩が下がる思いですが、愛くるしさは変わりません。手紙の上に“ぽちょん”と座る様は目尻が下がる思いでした。

…と、少しだけと言いながらも書き過ぎました。改めて口を噤みますね。もごもご。
こたつむり

こたつむり