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赤穂浪士のshinのレビュー・感想・評価

赤穂浪士(1961年製作の映画)
3.5

天下の正道をただすべし!

赤穂浪士たちが亡君の無念を晴らすべく仇討ちを行う、というお話そのものは知っていましたが、時代劇だからと食指が伸びていなかったところ、アトロクでの春日太一さんによる、忠臣蔵特集を聞き、勢いそのままAmazon primeで鑑賞しました。

片岡千恵蔵、市川右太衛門、中村錦之助といった昭和の大スターたちが一同に集まって、画面の厚みが尋常ではない。

大石内蔵助を演じるのは片岡千恵蔵。自分の中にあった内蔵助のイメージはここにあったのかと気がついた。知恵と忍耐を兼ね備えた理想のリーダー像で、彼が出ているシーンは見ているこちらまで安心してくる。

ストーリーも王道の忠臣蔵で、噂に聞いていた、畳替え、淡路守による吉良への折檻、南部坂雪の別れ等々有名シーンがテンポよく続き飽きさせない。ただ、三島の関で立花左近と会うシーンがないのが残念だった…。
面白いなと思ったのが、主君の堪忍袋の緒が切れて、大罪である江戸城での抜刀をしてしまい死刑になるのは、悲劇ではあるが仕方がないこととして、あくまでも問題はその原因を作った吉良に何のお咎めもないことで、一方的に罰せられるという理不尽を正し、幕府に異議申し立てをすることを討ち入りの目的としているところだった。

主君のために命を捨てるところにポイントがある盲信的な行為ではなく、あくまでも天下の正道をただすということに行動の動機を置くのが、たしかに現代的だなと思った。

機会があれば他の忠臣蔵も見てみたい。
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