mrかっちゃん

寒い国から帰ったスパイのmrかっちゃんのレビュー・感想・評価

寒い国から帰ったスパイ(1965年製作の映画)
4.0
スパイ映画といえば、「007」「ミッションインポッシブル」などのエンタメ性を重視した作品がメジャーです。
その中でもアクション性を高め007が持っている一種の滑稽な要素を不謹慎なギャグとして昇華させたのが「キングスマン」
一方でストーリーのシリアスさとアクションを正統に進化させたのが「ボーン3部作」
「ボーン」はアクションの演出として革新的な発明をし現代の作品にも流用されている。
また、アクション性を排除したストーリーの面白さだけの本格派の渋い作品もあります。
今作はまさしくその渋い作品群に当たる。
近年だとスピルバーグ監督の「ブリッジオブスパイ」があり、本格派スパイ映画の決定版との呼び声も高い「裏切りのサーカス」も外せません。

今作は「裏切りのサーカス」の著者のデビュー作を映画化した作品。
久しぶりにモノクロの映画を観ましたが、
色彩など関係ない作品本来の面白さに引き込まれていました。
諜報員という特殊な仕事であるが故の運命から逃れられない怖さと利害目的さえ一致すれば敵ににも味方にも簡単に変わってしまう血の通っていない人間関係。

本当に渋い映画でした。