円柱野郎

釣りキチ三平の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

釣りキチ三平(2009年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

原作は未読だけども、作品は知っている。
その程度の知識で観に行ったんだけど、特に話に置いていかれることもなく綺麗に纏めてあったので良かったかな。
まあ、「主人公の行動に無理解な人物が、主人公と共にいる内に理解を示していく…」というプロットは、ありがちな話ではあるけどね。
でも変な小細工もなく、ドラマ部分の広げ方と纏め方に無理がなかったので、原作未読者にも優しく好感が持てました。
あと、田舎の風景や渓流の映像は美しいし、釣りも楽しそう。
そう思わせられていれば、ひとまず成功していると言えるでしょう。

演技の方は皆さん往々にして大げさ。
特に主人公を演じた須賀健太の台詞回しはわざとらしいのが多いんだけども、元々がマンガのキャラクターだと考えるとしょうがないか。
魚をタモで受ける際のポーズにしたって、現実にあんなポーズ取るかって話だけど、でもあれは原作マンガのイメージなわけだからなあ。
その辺がマンガ的演出とリアルとの境界の難しいところだね。

肝心の釣りシーンは、キャスティング等々もあまり不自然な感じはなかった。
でも魚が本物とCGの間にまだまだギャップがあって苦しい。
特に夜泣谷のヌシなんて、これにどれだけリアルさを出せるかがキモだと思うんだけど、日本の特撮ではまだ本物と違いが分かってしまう。
VFX担当の白組は、日本でも一流の集団なんだけどね…。
そこでもまだ自然物を描くには難しいモノがあると見えますわ。
円柱野郎

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