ヒッチコック監督の名作をついに観賞。
怖い!面白い!1960年+白黒作品だけど、そのためらいはいらなかった。
恋愛の古典名作が「ロミオとジュリエット」なら、サスペンスホラー(スリラー?)の古典名作はこの「サイコ」だと思う。
以下ネタバレ感想を。
とにかく冒頭から惹きつけられる。かっこいい。あの音楽に字がビット的にずれるデザインなどとてもかっこいい。
物語は最初は「泥棒とその心理からくるサイコ?」「逃げを繰り返して泥沼になるサイコ?」と思っていたら、急に死ぬ。
シャワー中のあの演出は恐怖しかない。一人で見てて「怖っ!」と言ってしまった。
その後の処理と証拠隠滅も手慣れていて怖さが増幅。
私立探偵がつきとめるのかな〜って思っていたら突然の殺人。急にくるあの「キュインキュイン」という音楽、今となるとあれだけでもう怖さが植え付けられる。
その後のラストへと向かうシーンは、また殺人が起きないかという恐怖、母親は生きているのか否かという好奇心、家への侵入がバレるのかというスリルと釘付け。
最後の精神分裂という理由にTHE ENDと、余韻がすごい。
生きている人間が一番怖い、という点も含め後の作品に与えたであろう影響も予想も容易い。
昔の漫画家の人もこれはきっと見て楽しんだだろうと思い、ブラックジャックの「心の良心が出ると顔の発作が出て違う人格が出る人の話」、藤子F不二雄のSF短編の「ころりころげた木の根っこ」という昔ながらの良妻が実は…という話を思い出した。
ここからは他映画作品のネタバレもあるが、
音楽面では「ジョーカー」でも「ギィギィ」なる音で過度な演出をせず恐怖心を煽っていたし、
犯人の精神面を扱った「真実の行方」「アイデンティティ」「ファイトクラブ」など後の傑作作品の原点とも言えると思った。
余談だが、「シャイニング」における殺人犯が迫る恐怖を今作でも感じた。