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イディオッツのkekqのレビュー・感想・評価

イディオッツ(1998年製作の映画)
3.5
ひどいジャケ。

あたりはずれの多いラース・フォン・トリアー作品の中で、個人的に好きな一本です。
普通に生きている普通の人たちに対して「みんな善人ぶってるけど、きっと障害のある人を差別しているに違いない!」という信念を掲げ、自分たちが障害者のフリをして一般市民にドッキリをしかけてケンカを売りまくるという初期設定からもうなにがなにやら。
潜在的な偽善をわざわざ引っ張り出して糾弾することの独善的なタチの悪さがシンボリックに伝わってきます。

全編通してセクシャルな映画ではないですが、男女10人くらいで繋がってセックスしたり、話の都合上全裸がらみの変な描写は多いです。
警察かなにかに怒られた男がブチ切れて全力疾走しながらすごいスピードで真っ裸になるシーンは圧巻。映画史上最速で走りながら服を脱ぐ男が観られます。

ラストも「あーたしかにこういう感じになるよね」というリアルにダレた空気が、アメリカ映画ではみられないパターンのドラマで切なくてよかったです。
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