RYUYA

イディオッツのRYUYAのレビュー・感想・評価

イディオッツ(1998年製作の映画)
4.0
そんなに死にたいなら、そんなに殺したいなら、おまえひとりで死ねばいい。
毎作を遺作のように撮り続けるラースのやり方に、なぜか僕は賛同し続け、酔っ払う。

『イディオッツ』は、障がい者を演じ金を稼ぐ、さみしがり屋なワケありグループを追った風のフェイクだ。
素晴らしい発想を抱えてドブ川に飛び込むような挑戦であり、遊びだ。
大抵の映画には目的があるが、どう考えてもそれはなく、道中の説得力でねじ伏せる強情さ。全編に漂う、普通の人々への怒りの異臭。加え、「もうどうなろうが知ったこっちゃねぇ」という“役者”の振り切りっぷり。
正直、素晴らしかった。
全てが間違っているのに、なんも間違っちゃいねぇ。

実際そうでなくとも「人と違うことがしたい」と思ってない人たちを目で殺しながら生きてる僕には、半ば宗教的に頷いた映画だった。
彼らの人生は間違いじゃない。
全部嘘だけど。
RYUYA

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