あるテレビマンの家族に、差出人不明の謎のビデオテープと不快な絵が送られてくる…
久しぶりの一人鬱映画祭 第16弾
鬱ランクD
ファニーゲームで大好きになったミヒャエルハネケ監督の作品を鑑賞
ハネケ監督という時点で胸糞悪く終わるというのはわかりきっているような心持ちだったが、本作は胸糞悪いとか鬱とかではなかった。
意外にも、フランスについて問題提示した映画だった。
ハネケ監督特有?の長回しやメタ要素があって、私はとても面白かった。様々な解釈が起こるように、沢山の謎を残して終わっています。
ラストは衝撃の衝撃。ある意味ミスリードでもある。
謎のビデオテープを送りつけるイカれた犯人は…?
って言うのを期待しますが、この映画は犯人とかそういうのが問題ではないのです。
主人公がどういう判断で犯人を捜すかがこの映画では一番のメッセージとして描かれていました。
主人公はフランスという国自体のメタファーになっていると解釈しました。
フランスであった旧植民地国の人たちへの差別問題。1961年に起きたパリでのデモに対する残虐な鎮圧…
アルジェリア民族解放戦線…
自覚しない内に偏見・差別の目で見ている主人公。自分の「過去の記憶」を周りにはひた隠しにしようとする。
それ自体がフランスという国を示していて、それにとどまらず、様々な国でも同様なことがあるということを示していると思います。
映画の設定上として知りたいのは、犯人は誰…?ですよね?それはネタバレコメントにて…
解釈を呼ぶ映画が大好きで、ミヒャエルハネケの独特な無音の間や雰囲気が好きな自分にとっては大好きな作品になりました。