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オフサイド・ガールズのmhのネタバレレビュー・内容・結末

オフサイド・ガールズ(2006年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

サッカーワールドカップ最終予選(イランVSバーレーン)を試合会場で生で見たい女の子たちのハートフルコメディー。
イランの大勢を占めるイスラム教・シーア派なら性別分離は当たり前の話なんだけど、現代の国際社会的にはかなりのえぐい男女差別という相克を確信犯的に描いてる、
イランの性別分離の建前は、
・スタジアムでは男たちが汚い言葉で野次を飛ばしている。
・男ばっかりだから、そこに女性が行ったら危ない。
・ため、女性を守らないといけない。
・いやいやそもそも女性がひと前にでるのはダメに決まってるでしょ。
というかなりあやふやなロジックの上に成り立っている。
その証拠に、
・この映画はイランで上映禁止。
・イラクVS日本戦のときは日本人女性はスタジアムで観戦していた。
・2019年になってようやく女性がスタジアムでサッカー観戦することが許される。
そんな笑えない状況を、シチュエーションコメディーに仕上げた監督がすごい。
実際にイラン代表が予選をしてる最中に撮影されたというのも、さらにすごい。
クライマックスをW杯出場決定の祝祭に被せるのとか、あまりにもうまくてびっくりする。
男のほうは心配してるというスタイルでも、女性にとっては大迷惑という序盤のやりとりも、映画のテーマを端的に物語っていてすばらしい。
GHQに男女同権を押し付けられる前の日本も、イランと似たような性別分離をしていたので見てて複雑だった。
被差別者を解放するという意味においては、WW2の敗戦は意味があったと言い切れる。
この監督さんのほかの映画も見てみたい。
面白かった!
mh

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