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素晴らしき休日のdiesixxのレビュー・感想・評価

素晴らしき休日(1938年製作の映画)
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ジョージ・キューカー、キャサリン・ヘプバーン、ケイリー・グラントの瀟洒で優雅なロマンティックコメディ。
旅先で知り合ったジュリアと結婚するため、自宅を訪ねたジョニーは、彼女が銀行家の令嬢だったと知る。ジュリアはジョニーに「一族の一員」となることを要求するが、自由と旅を愛するジョニーは、一族のはぐれものリンダに惹かれていく。
ジョニーは投資で成功してFIREになるつもりなんだが、それはそれでかなり恵まれた環境なので、拝金主義に対する「本当の豊かさ」とは、微妙に違う気もする。しかし、ジョニーの保護者代わりでよき友人でもあるボヘミアン気質のポッター夫妻が、むしろ作品の人生哲学を体現していて、とても魅力的。音楽を愛し、虚栄にまみれた一族に絶望しながらも、最後まで飛び出すことのできないアル中の弟ネッドのニヒリズムも印象に残る。
どの人物も類型的でありながら、生き生きと輝いているのはさすがキューカーといったところ。
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