KnightsofOdessa

チャイニーズ・ブッキーを殺した男のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

5.0
No.606[悪魔に魂売ってでも、人生好きに生きてみろよ] 100点(オールタイムベスト)

少し前に見たがあまりにも変なコメントしか浮かばなかったので敢えなくお蔵入りした。しかし、思い起こしてみるとギャザラの丸顔が可愛かったので書き直してみることにする。

潰れかけキャバレーのオーナーであるギャザラはその包容力と笑顔から不思議と店の女の子達に好かれている。ギャザラ本人もキャバレーのことを愛しており、従業員たる彼女たちのことも愛していた。勿論、彼女たち自身が"商品"であるから大切にするのは当たり前なんだろうけど、この手の人物にありがちな無駄に暴力的だったりやたらクズだったりすることがなく、皆を家族のように愛していたのが印象的だった。あんな顔で楽屋に入ってこられたら…もう上司にしたい男ナンバー1だぜ。

ギャザラはカサヴェテス本人である。大好きなメンバーと大好きな映画を撮りたいのだが、製作には金がかかるし、金をかけて作った映画も収益を得られるとは限らない。そんなジレンマを抱えつつ、取り敢えず金がないことには始まらないのでカジノ(商業映画)に手を出すが、キャバレーすら取られるかもしれないピンチに陥り、悪魔に魂を売り渡す。それでも自分の好きな映画はやりたいんだよ。悪魔に魂売ってでも好きな映画を俺は作るぜ。という話だったようだ。だからギャザラは悪いように描かなかったのか、と納得。

ちなみに、ファスビンダーはそういうハードルが低かったようで、正当化や自己弁護をせずに家庭用ドラマで稼いで好きな映画を作っていた。カサヴェテスとファスビンダーのメンタルは格が違うってことすかね。

書き直したわりにつまんないレビューだね、まったく。ちなみに、最初に浮かんだしょうもないコメントは"ハンバーガー12個とか業者じゃん"だったので載せないで正解。
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