以前に観た『東京物語』もそうだけど、全く押し付けがましくない、控えめな優しさに溢れた人はとても魅力的だ。
育ちが全く違う夫婦。正直なところ、ぶつかり合っても当然だなと思うし、倦怠期に入ってきたら、反発してしまうのもうなずける。
それにしても、とにかく夫の佐竹茂吉は魅力的な人だった。
クスッと笑えるところも散りばめられていて、険悪な雰囲気が続いても、あまり不快にならなかった。「お茶漬けの味」というタイトルもいいなと思える。
翻訳家の柴田元幸さんのエッセイに登場していて、そのエッセイが好きだったこともあって鑑賞した。確かに日本人の文化に根づいた映画な気もする。英訳したタイトルをそのままのニュアンスにすると「ライスのグリンティーがけの味」になるということだったけど、全く雰囲気が出ない…