しょう

名探偵コナン 天国へのカウントダウンのしょうのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

約2年ぶり、数度目の鑑賞。
犯人も展開も覚えていたので、今回はかなり細部まで確認しながら鑑賞することができた。

恐らく初めて観たときは小学生低学年で、その時は、「ラストの爆発使っての脱出めちゃくちゃカッコいい」くらいしか印象がなかったのだが、大人になった今見ると、劇場版に初めて黒の組織が絡んだヒリヒリ感、哀ちゃんの心情、最後のシーンにつながる伏線や演出などにも目がいき、改めて良作だと感じた。
(最後の脱出シーンはもちろんカッコいいですが😃)

この映画が放映されたのは、ピスコ編からのベルモット編の頃であり、哀ちゃんにとって、組織の影の不安感が昼夜離れずといった時期だった。
そんなときに、劇場版で黒の組織が登場するとなると、当時の子どもたちは一体何が起こるんだと胸を踊らせたことだろう。
大人になった今からすると、原作との整合性を考えて、映画でガッツリ進めるのが無理なことはメタ的に理解できるのだが、まだ映画の立ち位置も固まっていた時期でもないので、ハラハラを感じられたことは想像に難くない。
実際、途中まではきれいにミスリードさせており、ジン兄貴のお茶目な勘違いもあったことで、組織がシェリーを追う執念深さが見えたことは事実である。

そんな時期だからこそ、哀ちゃんの儚げな心情も、見ていてなかなか苦しい。
元の姿でも新一と同じくらいの年齢である。危険と知りながら、最後の家族であった明美さんの声を聞きたくなっても仕方がない。
それに同じ幼児化でも、コナンと哀ちゃんには「裏切り」の壁がある。そんな中、コナンや少年探偵団が今の居場所を明確に示してくれたシーンはきっと哀ちゃんの救いになったはずである。

演出の話だと、個人的にグッときたのは、蘭がコナンを抱えて飛び降りる場面の表情by青山先生原画と、探偵団を助けるためにコナンがエレベーターを駆け上がるシーンのカウントアップ表示である。タイトルやクライマックスの脱出カウントダウンシーンを意識されていることを感じる。

本編の話でいくと、芸術家らしい(偏見な感じもあるが)個性と拘りに満ちた動機で犯行に及んだ如月先生は、終始一貫性を感じられ、犯人としてけっこう好きである。

あと、主題歌の『always』と取ってつけた感じがないエンディング後のオチも好き。

初見じゃなくてもハラハラでき、最後には思わず「いっけーーー」と叫びたく本作。次見たときにどんな発見かあるか楽しみである。
しょう

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