このレビューはネタバレを含みます
観終わった今、2時間近くどこかの世界に連れて行かれていたような、そんな感覚が残っている。
これまで様々な映画を見てきたが、気持ち悪いという感情が湧き出した作品はこれが初めてだ。
視覚的にぞっとしたのは、例えば青サギから中身が出そうになったところ、カエルが真人にたかっていたところ、ペリカンに群がられていたところ、などいくつもあった。
ただ、それだけでなく、居心地の悪い、胸焼けしたような感覚が内面に染み付いてしまっている。
体調が悪いときに見る夢と自分の過去の傷跡をえぐってくるような夢がハイブリッドされたような、そんな心地悪さがある。
作中を通して、覆われたり、まとまれたり、塞がれたり、息苦しさにつながるようなシーンが印象的だったのも理由だろうか。
「悪意」というワードが締めでも出てきたが、自分が感じたのは「悪意」そのものでなく、「悪意」のある世の中を、「悪意」のある自分を直視できず、ないものにしようとしている、自分自身の心のあり方なのかもしれない。
宮崎駿さんが伝えたかったものは分からないが、観てすぐに去来したのはそんな思いだった。
青サギ、菅田将暉なのが全然分からなかった。自分的には最後まで気味悪さが勝ってしまったが、何かほっとするキャラでもあった。インコに連れ去られた真人を助けに来たときは「キャラじゃねえだろ」と少しおかしみを感じた。
キリコさん、かっこよかった。THE姉御。
ぜひとも、他の方の感想もこのあと見てみようと思う。
