観る気になんて到底なれないような宣伝文句が並ぶ映画だもんだから、一生観ないんじゃないかと思っていたけど、娘が、同じく映画大好きなお友だちに超絶勧められて観て、その娘に超絶勧められたので観ることに相成りました。
歌のボリュームは少ないけれど、これはミュージカル。人は、本当に辛くなってくると何か縋るものが必要になるもの。セルマにはそれが心の中のミュージカルなんだろうなと思った。そうやって1日1日を乗り越えてきたんだよね。
メインとなるストーリーはなんともやるせないです。先日とある人が言っていた。幸せになるには愛も必要だけど、やっぱりいくばくかのお金が要るんだと。お金がないと人は変わってしまうんだって。だから、お金を取ったあの男も、真から悪い人間だったんじゃない。もちろん取り返そうとしたセルマもそんな人間じゃない。
終盤の、セルマとキャシーの強い思いに関しては、こんなに誰かを思っているようにして、でも「エゴ」なのかなって感じてしまった。
そして母親たる私には、子どもをこの世に迎えることすらエゴだと言われているようで、少し胸が痛んだ。
ほんまのラストシーン以外は、言われているほど鬱々とはしていなかったと思う。あたたかい人たちもたくさん描かれていたよね。ピーター・ストーメアがこんなに良い人なんて‥‥
移民、障害、貧困。そんな中でも約束を守り、子どもを守り、健気に生きるセルマを演じたビョークが、この役にぴったりすぎて可愛くて切なかったです。恐れずに観た方がいいよと、私も誰かに勧めてみようっと。
20211211映画館にて再鑑賞。
誘ってくれてありがとう♡
大画面でみんなで見るDitDは、前に見たときよりもずっと感情移入してしまって、ラストはマスクがびしょびしょになるくらい泣いてしまった。
改めて、愛とエゴ、人間の人間たる意味を考えさせられました。
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