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華麗なる相続人のHKのレビュー・感想・評価

華麗なる相続人(1979年製作の映画)
2.8
なんとこの作品も音楽はモリコーネでした。知らなかった・・・(追悼シリーズその5)。
本作はほぼ全ての主演作が名作と言われるオードリー・ヘプバーン作品の中にあって、例外的に最も酷評されている作品ではないでしょうか。
これだけ豪華なスタッフ・キャストなのに、ほぼ誰の代表作としても扱われないという恐ろしい作品です。

大好きなオードリー出演作品は全て手元に置くぞという義務感からずいぶん前にDVDを買ったはいいけど観るのが怖くてそのまま放置(そんなんばっか)。
今回モリコーネの曲も聴いてみようと意を決して初鑑賞しました。

原作はシドニー・シェルダンの『血族』。キャストは国際色豊かで本当に豪華。
主役のオードリー(当時50歳)を筆頭に犬神家・・・もといロフ家の財産を狙う一族の面々はジェームズ・メイスン(『スタア誕生』)、ベン・ギャザラ(『レマゲン鉄橋』)、モーリス・ロネ(『太陽がいっぱい』)にロミー・シュナイダー(『ルートヴィヒ』)、オマー・シャリフ(『アラビアのロレンス』)にイレーネ・パパス(『ナバロンの要塞』)、“よーし、わかった”の警部にゲルト・フレーベ(『ゴールドフィンガー』)、まだ他にも・・・(全員がかなり高齢化している点は否めませんが)
しかも監督はテレンス・ヤング(『暗くなるまで待って』『ロシアより愛をこめて』)で音楽はエンニオ・モリコーネ・・・なんと贅沢な。

で、見終わった印象はというと・・・
贅沢な・・・・・・火曜サスペンス劇場・・・

もうTVムービー感が半端ありません。
これがあの名作サスペンス『暗くなるまで待って』の監督・主演コンビ作とは・・・
誰がこんな作品にオードリーをひっぱり出した!
責任者出て来ーい!と言いたくなります。

モリコーネはとても美しい曲で盛り上げようとしてくれるんですが、いかんせん安っぽい映像と演出がそれを受け止めきれず、作品全体の印象はペラッペラ。
観終わった後でネット検索して本作の主題曲をあらためて聴くと、モリコーネらしく女性ヴォイスの印象的な綺麗な曲でした。もったいない・・・

本作、火曜サスペンス劇場だと思えばそれほど悪い出来ではないのかもしれませんが・・・
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