氷雨水葵

JAWS/ジョーズの氷雨水葵のレビュー・感想・評価

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)
5.0
2022年リライト58本目

暑い日が続きますね(USJアトラクションつながりですが何か!?)

◆あらすじ
東海岸の小さな町アミティ島。ある日、浜辺に女性の死体が打ち上げられているとの通報が入る。赴任したての警察署長ブロディ(ロイ・シャイダー)は現場に急行し、女性の無残な姿に絶句する。

サメの仕業だと考えるブロディに対し、ボーン市長(マーレイ・ハミルトン)は観光地としての利益を優先しビーチの封鎖を拒否。この対応の遅れが原因となり相次ぐ犠牲者。

ブロディは、海洋学者フーパー(リチャード・ドレイファス)と漁師クイント(ロバート・ショウ)の協力のもと、サメ退治に乗り出すが―――。

◆感想
50年近く前の作品なんて信じられないくらい素晴らしい仕上がり。なんといってもジョン・ウィリアムズが手掛けるテーマ曲に引き付けられるし、全体像をなかなか見せないサメの演出が高評価。CG技術を使わなくてもこんに視聴者に恐怖を与えらえるのはすごいですね。
そしてロイ・シャイダー演じるブロディ署長のキャラクター性もあって、夏に観る海洋パニック映画としては申し分ない!スピルバーグ監督デビュー作『激突!』も衝撃的な作品やったけど、それからわずか4年後の作品とは思えないです。『ジュラシック・パーク』なんて18年後の作品なんだね・・・。スピルバーグ監督に頭があがらない。

こういう海洋パニック映画にありがちな設定なのも好き。夏はアミティの稼ぎ時だからビーチは封鎖しない、みたいな。大概海洋パニック映画の舞台になる場所って「夏が本番」みたいなの多いよね(笑)今作も例外ではなくて市長は多くの人を町に呼び込み、結果「それみたことか」な展開に。市長を含めサメの存在を信じない人たちにイライラしながらも、フーパ―と協力してサメに挑むブロディ署長の姿を見てどこかほっとしました。町の経済を優先するのか、それとも人命を優先するのか(いつぞやの日本みたい)。

カメラワークもよくて、機械感満載なのだけど血糊やサメの表情で恐怖を煽りつつ、サメの顔をアップしたり、ときには引きの画にしたりと見ごたえあります。本物の海で撮影しているからこそのリアリティだと思うし、ブロディ署長越しにサメが顔を出したシーンは、すぐ近くにサメがいるかのよう。機械サメにトラブルがあったとしても、''見せない''演出にしたのは正解だったし、当時28歳かそこらのスピルバーグ監督がいかにすごかったか、というのが分かりますね。
個人的には恋愛要素がないのも好印象な部分で、これで無駄にキャラクターたちの恋愛模様があったらどうしようかと思いました(笑)それが許されるのは犠牲者多数輩出のB級サメ映画だけ!水着美女も拝めるし、サメのビジュアルや演出がザルやから恋愛要素があっても許せる。

ラストの派手なサメ爆破演出は今でこそベタやけど、ブロディ署長VSサメに見事な決着をもたらしてくれた要素と言えますね~ここからブロディ一家にサメの呪いがかかるんですが・・・。船上でのバトルは長尺(そんなでもないけど)なので少し間延びして退屈に感じるかも。ただその後の、海に沈みそうなブロディ署長とサメとの一騎打ちはスピーディーで素晴らしい。
個人的にはサメ、とくにホオジロザメはムチムチボディで好きな動物トップ5に入るので、今作のサメも造形美に目が行きますね。ほぼ海面から顔を出すだけなので全体像は見えませんが、背びれを出して泳いでる姿がとくに美しい。お顔も可愛くてユニバのアトラクションもこんな感じやったな~と思いながら(アトラクションは「2」をモチーフにしてますが)。

二桁に届く勢いで人間たちが犠牲になるサメ映画も好きですが、犠牲者が少なめの今作も良き。

サメ映画への愛は''サメ''ないですね
氷雨水葵

氷雨水葵