ピッツア橋本

第十七捕虜収容所のピッツア橋本のレビュー・感想・評価

第十七捕虜収容所(1953年製作の映画)
4.2
"自分を信じて、自分を操れ"

ドイツナチスの収容所に囚われたアメリカ人たちの奮闘劇。あらゆる脱走計画を企てるがことごとく失敗に終わる。
この捕虜室の中に密告者がいる!という流れになり、ある世渡り上手な男が疑われ始めるのだが…

『アパートの鍵貸します』のビリーワイルダー監督作品。コミカルサスペンス脱獄劇。戦時下のお話ではあるが、喜劇として鑑賞すべきテイスト。

彼の持ち味である小道具を使ったギミックがとても良い感じ。
主に塀の中の会話劇がメインで単調になりがちなシチュエーションでもこの技法によって奥行きある楽しみが出来る。
クライマックスも良い感じの盛り上がりを見せたし、"本当の主人公"の彼のカタルシスや捨て台詞もカッコ良かった。

敢えていうと、異色な『大脱走』とも感じた。
テンポをキープしつつ、意外性も良きセリフも随所にある。良い脚本。
ピッツア橋本

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