氷雨水葵

ザ・ライト -エクソシストの真実-の氷雨水葵のレビュー・感想・評価

2.8
2023年60本目

こんなに怖くないエクソシズムある?

◆あらすじ
葬儀屋の息子マイケル(コリン・オドナヒュー)は、神学校の卒業を間近に控え、信仰を失い司祭への道を諦めようとしていた。

マイケルは恩師の勧めにより、バチカンでエクソシストをしているルーカス神父(アンソニー・ホプキンス)を手伝うことに。

マイケルはそこで悪魔祓いの恐るべき真実を知る―――。

◆感想
アンソニー・ホプキンス主演の本作がずっと気になっていたので鑑賞。んんん…最後まで観た感想を言ってしまうと、エクソシズム作品なのにまったく恐怖を感じずに終わりました。113分という長くも短くもない上映時間なのに、それ以上に長く感じてしまって、正直終盤までは退屈だったかな。主人公に感情移入できないからかな?葬儀屋か神父の家系に生まれたのにマイケルは神も悪魔も信じないときた。でも、事故に遭った女性に祈りを捧げるシーンはめっちゃ良かったし、かっこよかった。悪魔祓いを論理的に否定するところもよくて、そう考えるとエクソシズムって案外ガバガバだよなと思いますね(笑)
全体的にサスペンス要素がもっとほしかったところ。首が回転するとか、緑のゲロもいいんだけど、もっとヒリつくような脚本にしてほしかった。『エクソシスト』や『死霊館』みたいなドキドキ&恐怖演出もなくて、見どころという見どころがないんですよね。悪魔祓いシーンにしてもパッとしなくて、伏線回収もされていなかった印象。悪魔祓いの全貌を描くというテーマは面白いし興味は湧くけれど、全体的に物足りない仕上がりになってしまいました。

ただ、ルーカス神父を演じたアンソニー・ホプキンスの演技は素晴らしかったです。彼みたいに’’正統’’じゃない神父は実在しているだろうけど、実際の悪魔祓いって本当にこんな感じなのかな?
ハンニバル・レクター博士の印象が強いからか、こういう役は個人的には新鮮なのですが、神父役めっちゃ合いますね!特に、終盤の悪魔に憑りつかれてからの演技がすごかったです。さすがベテランの演技というか、圧巻のシーンでした。マイケルが神を信じたシーンでもあったので、そこはすごくよかったと思います。

エクソシズム映画入門者向けの作品かと!
氷雨水葵

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