昼行灯

風が吹くときの昼行灯のレビュー・感想・評価

風が吹くとき(1986年製作の映画)
4.5
核爆弾の爆風を生き延びた夫婦の数日間。

外の世界が灰に覆われ、自分たちの身体に異変が現れ始めても日常を続けようとする夫婦。扉を壁に立てかけただけのスペースをシェルターと呼び、核汚染された雨水を安全だと言って飲む。無知と楽観の行き着く先。愛らしいタッチのキャラクターが死に蝕まれていくことで際立つ恐怖。

何万人が死んだ、何万棟が焼けた、という数字だけでは見えてこない悲劇がここにはある。

「日本の場合は何年かたって死んだ人もいる。原因は忘れちまったが…、きっと政府の指示に従わなかったんだろう。」
昼行灯

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