シネマJACKすぎうら

パルプ・フィクションのシネマJACKすぎうらのレビュー・感想・評価

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
5.0
劇場に足を運んだ当時は、未だタランティーノのことも、本作の内容もほとんど知らなかった。ただ31歳で舌噛みそうな名前の若手監督がパルムドール獲った映画だと。

冒頭、アマンダ・プラマーとティム・ロス演じるカップルがファミレス(?)でダベるシーン。なんだ、もしかしてジム・ジャームッシュみたいな感じ??と思ったものだ。数分だけだが 笑。
話題が強盗の話に及んだかと思うと、カップルの女の子の方がおもむろにピストルをテーブルへ。”ガチャン!!”この音が異様に重くてデカい。ここで何かのスイッチが入った。今まで乗ったことがないようなジェットコースターに乗せられた感覚に陥る。

この映画は、物語を構成するそれぞれのシチュエーションを頭と肌で感じる映画だ。言ってしまえば、ストーリーの流れをあまり把握する必要がないくらい。
「だから、時系列バラバラにしたって、別にかまへんやろ〜」ってケタケタ笑うタランティーノを妄想してしまう。
戦慄、恐怖、笑い、エロ、爽快感、、実に様々な感情や感覚を揺さぶってくる。
オープニングタイトル直後のエピソードで、敵陣に乗り込んだサミュエル・L・ジャクソンなんて、あまりの恐ろしさに思わず仰け反った。あれで彼女がベジタリアンなんて、ありえんやろ(笑。

鑑賞時、タランティーノの風貌を全く知らなかった。この映画に自ら出演していることも。なので、ジョニー・デップみたくちょっと影のあるイケメンだと勝手に想像していたのだが。帰りに買ったパンフレット読んで、間抜け面でコーヒーのウンチクたれる繊細そうなアノ男がタランティーノだと知った時のショックは言うまでもない(笑。