レネリー

津軽じょんがら節のレネリーのレビュー・感想・評価

津軽じょんがら節(1973年製作の映画)
5.0
Blu-rayにて鑑賞

斉藤耕一監督ATG作品でも最高傑作に部類する本作は、第47回キネマ旬報ベスト・テンで1位を取得したのも納得の傑作映画。
都会をはじき出された男と女を軸に描くドラマで、津軽地方の冬季の厳しさや経済発展の中取り残されていく貧しい人々、そしてその蜜を吸おうとする大資本、瞽女の生活など描かれているが、その中で幸せを編み出そうとする人の幸福と絶望…。
貧しさから変わる優しさが凄く心地良いが、終盤の衝撃的な結末が脳裏に焼き付く。
最初は揶揄うつもりだった盲目の女との出会いから半端ものの男が構成されていく…。
荒波と津軽三味線、赤いコートを襟立てて津軽を後にする姿は印象的だ。

視覚的、聴覚的、全てにおいて幸福度の高い最高の映画でATG映画の中でも個人的にトップ3に入る最高の映画だ。
レネリー

レネリー