最先端の技術により他者の精神世界に入り込む治療方法を研究しているキャサリンが、連続殺人鬼スターガーの世界に入り誘拐された女性の手掛かりを追う物語。
『パプリカ』や『インセプション』を彷彿とさせる、他者の精神世界に入り込み干渉する系の映画でしたが、その精神世界の映像表現は色彩的美しさや芸術性が際立っていて、とても独創的。
その一方で、もっと混沌とした精神世界を期待していた身としては、犯人の背景や内面含めて少し分かりやすすぎるというかキレイすぎる感を感じてしまい、ストーリー的な求心力はあったものの、主人公と犯人との精神世界でのやりとりを含め少し物足りなかった部分も感じてしまいました。
そんな中いちばん印象に残ったのは、ジョジョ5部のとあるシーンを彷彿とさせるウマ関連のある描写で、その一瞬と一連の流れは残酷さと美しさ、ある種のグロテスクな芸術性を同時に表現していて、視覚的衝撃を存分に与えてくれました。
ターセム・シン監督の独創的なビジュアル表現は、本作を経て『落下の王国』に至ったんだなと、その根底に通ずるものを存分に感じられる作品になっています。