こたつむり

危いことなら銭になるのこたつむりのレビュー・感想・評価

危いことなら銭になる(1962年製作の映画)
3.4
♪ ヤバいことならゼニになる
  チャンカチャンカチャンカチャンカ…
  ヤバいことならゼニになる
  チャンカチャンカチャンカチャンカ…

そんな作品でした。
え?分からない?じゃあ、もう一度…。
あ、もういい?…ふーん、そう。

まあ、端的に言えばコメディですね。
都筑道夫先生の原作を軽妙な筆致で仕上げているのですが、一説によると『ルパン三世』の原型だそうです。

確かに早口で台詞をまくし立てる様はマンガの域。1962年の作品として考えれば、かなり異色な作品だと思います。

また、登場人物の造形は、お調子者の主人公にガラスのジョー(演・宍戸錠)。冷静沈着な計算尺の哲(演・長門裕之)。無色透明なダンプの健(演・草薙幸二郎)。そして、合気道と柔道の達人であり、フランスを夢見るとも子ちゃん(演・浅丘ルリ子)。

何よりも、このとも子ちゃんが良いのです。
失礼を承知で言うならば、近年の御姿からは想像もつかない可愛らしさ。そりゃあ、昭和のお父様方が目の色を変えるはずですよ。そんな彼女が「ブラジャーなんてつけてないもん」なんて言った日にゃあ。ね。分かるでしょ。辛抱たまらんですよ。ね。ね。

あと、フィルムの保存状況が良かったのか。
それとも、デジタル化にあたって特別な処理を施したのか…ちょっと分かりませんが、発色が綺麗で瑞々しかったのも、驚き桃の木山椒の木(古い)。まさか、昭和の空気が手に取るように伝わってくるとは…感涙ものです。

まあ、そんなわけで。
昭和生まれも平成生まれも令和生まれも今から50年以上前の日本(新宿、横浜など)を味わえる作品。何しろ、トカレフが珍しい時代ですからね。大仰なコメディ要素も“コントの走り”だと思えば良いのです。

それでは最後に。
♪ ヤバいことならゼニになる
  チャンカチャンカチャンカチャンカ…

え。しつこい?
こりゃまた失礼いたしました!
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