このレビューはネタバレを含みます
この時代の映画には色気と品性が備わっており、観ていて惚れ惚れしてしまう。物語こそ今や平凡と言える仕上がりだが、ところどころに観られるバシッと決まったカットが何とも言えない。
特に最後のシーンで兵隊が門をくぐり、そのあとを追いかける主人公。ついていくべきか、いかざるべきか。恋は盲目と言うが、やはり恋愛は精神ではなく肉体でするものなのだろう。この精神と肉体の葛藤が台詞で何を言い、何を言わなかったかに良く表れている。
決して面白いと言える映画ではないかもしれないが、観ていて惚れ惚れするほど学びの多い映画であることは間違いない。