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グッド・バッド・ウィアードのmayaのレビュー・感想・評価

4.6
とんだお祭りウエスタンだ...。ウエスタンのリメイクやオマージュで満州を舞台にするやつ、東アジア版の人種民族ちゃんぽんモノとしてめちゃくちゃエモいので、「イースタン」みたいにジャンル化して欲しいレベル。
とにかく画がいい、音楽がいい、茫漠とした砂漠で宝探しを名目に、因縁をこじつけ合って3人の男が虚しく決闘する。いいもん、わるもん、へんなもん、と最初から銘打って、その役割自体が入れ替わることはないから構成はすごくシンプルなのに、とにかく歓声をあげたくなるシーンでいっぱい。グッド、バッド、ウィアードも「韓国俳優でウエスタンで配役するなら、これしか無い!!」という完璧な布陣。チョンウソンの「海は海、風は風、チョンウソンはハンサム」、チョンウソンが良い俳優なので割としっくり来てなかったが、本作は正しく、という感じだった。
ウエスタンで大事なのは、客が思わず「待ってました!!」と膝を打つ、バチッとハマるシーンやシチュエーションだと思うのだが、とにかく本作は休みなく全部盛り。冒頭、西部劇の花形・列車対決にはじまり、あの闇市の大乱闘の縦横無尽のカメラワーク、悪役のイビョンホンは映画館で部下と話す、チョンウソンはめちゃくちゃ長い銃を振り回す、ソンガンホは正面から撮って表情がガラリと変わるのを楽しむ。最後の3人の目力対決、最高だった。
チョンウソンの「地図を信じてなかった。でも、機会を得たから、夢は...」というセリフが好き。夢は、機会を得て初めて生まれる場合もあるよね。
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