青二歳

忠臣蔵の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

忠臣蔵(1958年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

【若尾文子映画祭】今冬追加上映決定!(らしい)勝手に上映希望再レビュー。大映オールスター歌舞伎。リアリティ?なにそれ美味しいの?仮名手本/講談/落語をベースに伝説逸話どんとこいのシナリオがオーソドックス超えてアバンギャルド!

シネスコのアス比を活かした歌舞伎舞台さながらの広がり、そして映画でなきゃ出来ない演出に壮大な奥行。大映カラーの艶やかさ。
梨園出身の役者や時代劇の名手たちは手慣れた台詞回し、現代劇の役者も講談調がんばってます。川口浩隊長の時代劇とかギャグでしかない。
しかしいいわぁ浪花節。滝沢修が吉良上野介、市川雷蔵が浅野内匠頭とくれば存分に判官贔屓させてくれるわあ。殿中でござる!殿中でござる!祭りじゃ〜

戦後13年ついに忠臣蔵に手を出す大映。18周年記念とは中途半端な笑。なおこの大作は四人がかりの脚本とか。うん一人じゃムリだよね。

さてオーソドックスなようでかなり攻めに攻めるこの忠臣蔵。泣かせるエピソードはこれでもかと盛り込む。わあお腹いっぱい。

【昼行灯】蔵之助の敵娼浮橋太夫に木暮実千代がさっぱりといい姉御肌。妻淡島千景の方が妙に艶っぽい。
【忠臣蔵の勧進帳】垣見五郎兵衛の中村鴈治郎二世がええ〜浪花節で。たまらん。
【恋の絵図面取り】赤穂浪士一のイケメン岡野金右衛門には鶴田浩二。吉良邸地図をめぐる悲恋に若尾文子。
【大根売りにやつした新左衛門】親バカならぬ婿バカ?舅バカというのか?の風呂好き大竹重兵衛に志村喬。口が軽いわ短気だわかわええ。まあ舅の方が有名よね。潮万太郎とばっちり。
【元服前の少年は花形】涙の別れをする母に滝花久子。いいわあ。
【徳利の別れ】勝新美味しいー。このエピソード粋で好き!
【オリキャラ女スパイ】必ずオリジナルキャラクターで創設されるものといえば女スパイ。大映版では京マチ子。やたら貞淑な女たちばっかりなので、京マチ子の生々しい肉感と存在感はありがたい。

忠臣蔵なんて史実と照会したって娯楽にゃならんのさ。映画はこうでなくちゃ。お祭りじゃ〜
青二歳

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