子供たちの間での評判があまりにもいいので、好奇心に負けて、遂に子供と見に行ってきました。
この映画から10年ぐらい前に見た東映のアニメ映画の鬼太郎は迫力があって中身が濃く、大人の観賞にも堪えるいい出来で、子供と観てちょっと得をした気分になったものです。この映画はそれとはまるで別物でしたが、やはり子供がいてこの映画を見る気になって良かった、という気分になる出来でした。
なんといいますか、妖怪のキャラはきっちり作っているのに、ストーリーやアクションで頑張りすぎていない、すっと肩の力が抜けている感じに味があって、観ていてとても和めます。
ウェンツくんも従来の鬼太郎のイメージからは微妙に外れた部分があるのですが、そのはずし具合とストーリーやアクションのタイミングのずれ具合が上手くかみ合っていて、何ともいい雰囲気の映画に仕上がっています。
これ、狙ってやったのなら大したものだと思います。
すぐそばで、小学校に入る前ぐらいの可愛いお嬢ちゃんが見ていましたが、そのぐらいの年齢だとこれでも怖い所があるみたいで、たまに声が上がっていました。
でも本当には怖くはならないと分かっているので、そういう反応も楽しんで聞いていられます。こういう幼児から大人まで和めるゆっくりとした映画は本当にいいですね。
親子共々日頃のつかれも吹き飛んでとてもいい気分で映画館を後にすることができました。
こういうタイプの、きちんとお金をかけて作り込んではあるけれどぬるくて緩い子供映画は貴重なので、ぜひシリーズ化して欲しいと思います。
ところで、砂掛けばばあ役の室井滋さんの風情が、オバQの声をしていた曽我町子さんに、西田敏行さんの声と表情がフランキー堺さんにそっくりだったのはご愛嬌でしたが、これは偶然そう見えただけだったのでしょうか?
(脱力系アイドル映画 2007/5/28記)