pika

仮面/ペルソナのpikaのレビュー・感想・評価

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)
5.0
圧巻!痺れる。 なんて、なんて、なんて美しいのだろうか。
画ひとつひとつが見惚れるほど美しく、見逃すまいと我を忘れる。
映像演出や構図だけでなく、女優の演技も極上に素晴らしく、役者さながらに瞬きすることができないほど目に焼き付けたいと前のめりになる。

序盤と中盤、ラストの隠喩が素晴らしく、理解を超えた映像体験を極上に味わうことができる。
脳を映像で満たし、心は映画の生み出す深層世界に浸りきる。
映画を見ていて「幸せだ」と感じる極上のひととき。

一見説明的でない映画の展開は、人間の中に内包する説明不可能なあやふやな感情そのものであり、それを見事に映画として表現しきっていることに心の底から感動する。
それぞれが心に抱くモノ、芽生えるモノ、それをなんとか外へ放出しようと言葉や表情で精一杯表現する、それは本当に本物なのだろうか、一枚の仮面を通したモノではないのだろうか。
無の戦い、無で表現するモノ。
それもまた同じことではないのだろうか。

頭の中をグルグルと駆け巡るこの映画の映し出すモノ、それを言語化して安心する必要はないし、意味がないと思う。
だからこそベルイマン監督は「映画」で伝えてくれたのだから。

ありがとう、ありがとう。
この映画に出会えて感動です。
こんな体験なかなか出来ない。最高!ホント最高!
pika

pika