GreenT

宇宙戦争のGreenTのレビュー・感想・評価

宇宙戦争(2005年製作の映画)
1.5
宇宙人が地球を襲う、『クワイエット・プレイス』みたいな話でした。

トム・クルーズが、大型クレーンで船の荷下ろしの作業を行う港湾労働者を演じているんですが、現在アメリカではこの、港に着いたコンテナを運送するトラック運転手が人手不足で、このコンテナがロサンジェルスの港に溢れかえっているって聞いているので、それを思い出しました。

さらにトムクルのキャラはバツイチの一人暮らし、再婚した女房が旦那と実家を訪ねるのに、子供2人の世話を頼まれる。

子供たちに全く尊敬されてなくて、名前の「レイ」で呼ばれているくらい疎遠で、しかも家汚いから「ここに来るのイヤ」とか言われちゃう。

トムクルがこういう役珍しいよな〜って思って観てたんですけど、意外とちゃんと演じてますね。この人演技下手ではないですよね。

なんだけど、港湾労働者としても「お前ほど荷下ろしを早く正確に行えるヤツはいない」とか、車の修理屋に「ソレノイドを交換しろ!」と提案したり、「デキるヤツ」に描かれているのが「トムクルあるある」だなあ〜って感じがする。

まあ原作があるそうなので、その中での主人公がこういうキャラなんだと言われればそれまでですが。

んでなんか、不穏な台風の目みたいのが上空に現れ、カミナリのヒドイやつみたいのが起こって、「なんだなんだ」ってなる。この辺のCGI とかなかなかすごかったんだけど、地割れとかとにかく凄まじいことが起こっているのに、たくさんの人がそれを見たい!と逃げないところが嘘くさい!と思った。けどもしかしたら人間ってああいう風になるものなのか?

で、現れた「トライポッド」だっけ?とか呼ばれる巨大な、生物なんだか、エイリアンの戦車的なものが人間を襲い出すんだけど、変なデザイン。

で、こっからは『ミッション・インポシブル』よろしく、大ディザスターなのにも関わらず、トムクルは一切怪我をしないし、都合良く話が進む(笑)。

これ、エンドロールで「すてぃ〜ぶん・すぴるば〜ぐ!」ってデカデカと名前が出てくるまでスピルバーグが監督だなんて知らなかったので「ええ〜!!」だったのですが、ウィキによると『マイノリティ・レポート』で一緒に仕事したトムクルとスピルバーグは「また一緒に仕事したいね」ってことになって、トムクルがSF作品の古典的名作として知られている『宇宙戦争』をやらないかと提案したそうです。

脚本担当の1人、デヴィッド・コープって聞いたことあるなあって思ったらこないだ観た『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』の監督さん!しかも『ミッション・インポシブル』『インディ・ジョーンズ』『ジュラシック・パーク』などのブロックバスターをたくさん手掛けている人。

特撮はすごかったけど、話は全くピンと来なかったなあ。トムクルが「優秀な港湾労働者」って設定が全く生きて来ないし。ただひたすらイラつくガキ共を連れて逃げる父親。

小さい娘がどー見てもダコタ・ファニングだよなあ、と思ってたら本当にそうだった。

中盤で出逢う、トムクルたちを匿ってくれるキチガイじーさんがティム・ロビンズ。

ここも「?」で、とにかく、えっとまずですね。デカいトライポッドってのがもう無敵な感じで、大勢の人が逃げ惑う中、バンバン建物とか壊せるわけですよ。

なのに、トムクル御一行は、いつもその被害が及ばない場所まで逃げることができる。あんなバカデカいのが広範囲に渡って攻撃しているのに、逃げ切れるのか。

で、ティム・ロビンズ演じるキチガイじーさんは、自宅の地下室に隠れていて、トムクルたちが攻撃から逃げているところに「こっちだ!」と声をかける。

前半でトムクル一家が車でボストンまで行こうとしていた時、車を奪おうとたくさんの一般人に襲われて車盗られたのに、なんでこの時はたくさんの人が地下室に来ないのか?

それにこんな他人を信用できないご時世に、「こっちだ!」って招き入れるのかなあ。頭おかしいから?

でもあとで、このじーさんが物音を立てるのを止めないので、宇宙人に気づかれたら困ると、トムクル演じる主人公がこのじーさんを殺す!

ひえ〜

あ、そうそう、長男は、正義心に燃えて「地球を救う!」って感じで軍隊に参加してしまう。まだ15歳くらい?軍隊が入れてくれるのか?で、直後に大爆発があって、トムクルが長男の名を叫び〜、ってやってるけど、「どーせ死んでないよな」って思ったらやっぱり(笑)。

それが、ボストンの元妻の実家になんとかたどり着いたら、そこに長男は来ていたという落ちで、この子が宇宙人と戦うところとか全然ない。

ってわけで、なんだか見どころのない映画。

そんでラストがさらに拍子抜けなのだが、ネタバレになるのでコメント欄で!
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