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『!〔ai-ou〕』に投稿された感想・評価

Hiro
2.9
堤幸彦監督の作品は『溺れる魚』が一番好きかな。

各キャラは面白かったのですが、やはり最後はハッピーエンドの方がいいなあ。。

佐倉修次:柴田恭兵
辻川圭介:錦織一清(少年隊)
谷口元:大槻ケンヂ(筋肉少女帯)
浅井かすみ:岡部まり
医師:斉木しげる
女医:渡辺えり子
辻川圭吾:上田耕一
川本:深水龍作
太田社長:石井光三
太田鉄雄:我王銀次
秋元康、マルセ太郎、石井愃一、清水宏、長江英和、手塚とおる、渋谷琴乃、チャイルズ、白鳥夕香、干潟智子、安藤麗二 ほか
この映画の岡部まりさん、市川紗椰さんに似てる(*^^*)

柴田恭兵、錦織一清、大槻ケンヂ。異色の組み合わせの三人が演じるのは、社会からはみ出した小悪党。

柴田恭兵はヤクザに雇われて取立て屋やってる。夢はパイロット免許取って、所有してるボロボロのセスナを修理して飛ばすこと。
錦織一清は一流大学を出た銀行員のボンボン。。。だったけれど、借金がかさんでヤミ金から金が返せなくなり、銀行をクビに。今はチンピラ。
大槻ケンヂはラーメン屋の店員。無口でコミュニケーション下手。武道の心得あり。行き場所もなく、柴田恭兵の所に居候することに。

はぐれ者三人はやがてつるむようになり、ダフ屋やったり、ちょっとした詐欺したり、薬売ったり。

一時は羽振りがよくなるものの、ヤクザの仕事に手をだし失敗。やがて彼らは追われる身になるが。。。

ってお話。

ヒロインは岡部まりさんなんだけど、あんまり効果的に使われていない。もう少し上手く使えればなぁ。
ボンクラ三人と岡部まりさんでペンキ掛け合うシーンとかは印象的。

欠点の多い映画なんですけど、好きなんですよね、これ。

オープニング、RCサクセションの『雨上がりの夜空に』をバックに三人が逃げ惑うシーンとかとても良くて。

同じくRCサクセションの『スローバラード』も凄く効果的に使われてます。
劇中、オーケンが下手くそに歌う『スローバラード』、なんか染みるんだよな。

監督は堤幸彦(この作品では堤ユキヒコ名義)なんですが、堤監督作品で、これが一番好きなんですよね。なんかまだ拙いんだけど、変な熱があって。

ラスト、三人の運命はどうなる???
って所で映画は終わります。彼らはどうなったんだろ。続編が作られるどころか、忘れられつつある映画だけど、たまに彼らに会いたくてVHSで観直す一本です。

なんでDVDにならないのかなぁ。
【飛ぶか飛ばないか、ITバブル前夜の東京における資本主義の空気感】:

本作の主役・柴田恭兵が大切にしているセスナがメタフィジカルで。
本当に飛ぶか飛ばないかわからないけれども
「飛ぶ」前提で人生や生活のすべてをそれにぶち込んでいる。
そのセスナの為に稼ぐ。手段は問わない。英語も勉強する。健診も受ける。

錦織一清も魅力的だ。

錦織が演じる金持ちのボンボンで
昭和のエリートの象徴である、
一橋大学出身のハンサムな銀行マンが
そんなセスナに入れ込んでいる中年チンピラに魅かれて、
「社長、社長」と言いながら子犬のようにすり寄ってくる。
これもまた何かの象徴かと。

大槻ケンヂの雰囲気は良いのだが人物設定が浅かったように思う。
もう少し深堀するとあの独特の存在感がもっと活かせたし、
本作をキッカケに役者としてもっと多くの作品に重用されたように思う。

本作は1991年の作品で、秋元康のプロデュース。
ネットベンチャー、ITバブルの前夜に当たる時代であるが、
資本主義と東京の機会と誘惑の多さに振り回されながらも「飛ぶか、飛ばないか」に命を懸ける。
そういう時代の空気感を秋元の嗅覚は先取りして見抜いていたのかもしれない。

岡部まりが北海道に帰る際のセリフ(東京で生活することの難しさ)が印象的だった。またRCサクセションの「スローバラード」をこんなに切なく使った映像作品はなかなかないのではないかと思う。まさに「悪い予感の欠片もない」まま突っ走ってきた3人の物語なのだから。

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