ウィーンの駅で別れてから9年後のパリ。そこからこの映画は始まる。
冒頭でジェシー（イーサン・ホーク）が語る言葉、「人生の最高の出来事は、人と出会い深く知り合うことです」、これは、当然「ビフォア・サンライズ」のセリーヌ（ジュリー・デルピー）との出会いをイメージしている言葉です。
ジェシーはあの日の出来事を本に書いて、出版記念の講演会でパリの本屋を訪れています。そこにセリーヌが現れ、二人はたちまち9年前の気持ちに戻っていきます。本作品でも、ジェシーはその日のうちにニューヨークに帰る予定なので、二人で過ごせる時間は少ない。そんな状況でも1作目と同様に、二人の会話は尽きることがありません。
それぞれに9年間をどう過ごし、今どのような気持ちでいるのか、9年前の約束はどうなったのか、等々、やはり9年の月日の長さを感じます。
実年齢でも同じ月日を重ねた事実が、映像と会話に重みと現実感を与えています。
そして、ラストは「ここで終わるの？」って感じ。これって３部目の引きを狙った作戦？次も9年後に再会するようです。見ずにはいられません。まんまと作戦にはまっています（笑）
P.S.）二人の会話は、見る人の環境や精神状態によって響く箇所が変わると思いますが、今回印象に残った部分の１つが、”前回のセックス有無問題”。私も記憶が曖昧でしたので、興味深く二人の論争を見守っていたのですが、論争の顛末とセリーヌの反応の様子を見て、「女心は微妙なんだなあ～」と改めて実感した次第であります。
