くろねこヤマ子

去年マリエンバートでのくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

去年マリエンバートで(1961年製作の映画)
3.9
男が女に。
去年約束しただろ?
と、駆け落ちを迫る物語。
ネッチリと迫る物語。

インテリ臭むんむんの
空間の使い方、時間の扱い方。
魅力的。

物語全体が不確実さに満ち溢れ、
交わした約束も
事実であるのか分からない。
忘れてるの?
それとも虚言なの?
曖昧さで観る側を攻める。

幻想なのか妄想なのか
真実なのか夢なのか。
誰かの脳内なのかもしれなくて。

この物語に整合性を求めるのはナンセンス。
枠なんて考えてはダメだと
酷く高みから教えられる感覚。

把捉できたかといえば全然できなくて、
分からないながらに漂う楽しさもあるのに、
そういう事ができる方なのに、
今作品に関しては
何とかしたい気持ちが優ってしまい
酷く疲れた。

そこに愛はないよ。
という答えしか出ない。

けれどもう一度観直したいというか。
余裕を持って観れば
印象変わるかもなぁという予感。