テロリストを撲滅するためなら、自国内で大量殺人を犯して、ハッキングで軍資金を手に入れてもオッケーというトラボルタ演じる極右グループのボス。
いま、この時代に鑑賞して、彼をドナルド・トランプと重ねてしまった。自国の国益を損なわれたとき、冷静でなくなったアメリカが何をしでかすかわからないという側面を描いたとも言える。
とはいえ、映画では、最後まで極右の論理を否定せず、イスラムのテロリスト狩りで話を締め括るあたり、9・11以降から変わらず、「トランプを熱狂的に支持するアメリカ人の本音」と同じ感覚が息づいているのだな、と思ったり。まあ、日本もまるで同じ状況ですが。
この映画の製作年が2001年ということで理解すべきなのでしょう。
上記の考えすぎな解釈を抜きにしても、まあ凡作。ヒュー・ジャックマンが、とにかくかっこいいが、トラボルタがかなりの頻度で思わせ振りに言う、「人は見たものに騙される」的なキーワードとトリックが、さほど活きていない。