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ジェヴォーダンの獣のmendeのレビュー・感想・評価

ジェヴォーダンの獣(2001年製作の映画)
3.7
主人公のサミュエル・ル・ビアンとヒロインのエミリー・ドゥケンヌが出番が多い割りに影が薄いのが残念。
アクションではインディアン役のマーク・ダカスコスに、カリスマ性では敵役のヴァンサン・カッセルに、美貌と妖艶さではモニカ・ベルッチにくわれている。
俳優のせいだけではなく、主人公が類型的で、魅力的につくられていないせいだと思う。

いっそのことヒロインの存在を削って、主人公と義兄弟マニ(インディアン)のBLにしてしまえばよかったのに。2001年にBLはないにしても、女っけはモニカ・ベルッチで十分なので、男同士の友情にフォーカスしたほうがわかりやすかった気がする。
当時実生活で夫だったヴァンサン・カッセルもモニカ・ベルッチにメロメロだったということで。

ルイ15世治世、近世フランスの中央集権国家ぶりや衣装、男性貴族の化粧など、デフォルメされてはいるが当時のムードは満喫できる。
こういうの、ハリウッドの手にかかると漂白されたようなツルッとしたものにされてしまうので、本国フランスの強みがいかされている。

獣を操っていたのは、そうきたかと思ったが(でも、獣を使って彼らの意図が達成できるのか???悪手では???)、肝心の獣の正体が明らかにされないのはどうなのか。あれ、結局なんだったんだろう。
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