OASIS

11人いる!のOASISのレビュー・感想・評価

11人いる!(1986年製作の映画)
2.9
宇宙最高の大学コスモ・アカデミーの入学試験の為集まった10人が、最終試験として棄てられた宇宙船で53日間のサバイバルを繰り広げるというSFアニメ。

類稀な「直感力」を持つ主人公を筆頭に、性別のあやふやな子、王様や次期王子候補などの個性的な面々の中に一人余計な人物が紛れ込んでいる事が判明してからストーリーは始まる。
このオープニングの流れが今観ても非常にワクワクさせられて、タイトルの出方なんかも不気味で不穏な空気を予感させてくれる。

主人公がその人並み外れたカンでイレギュラーを見つけようとするとテレパスで妨害されたりして、中々犯人が見つからない。
次第に疑心暗鬼に陥っていくメンバー達の過去も徐々に明らかになって、そして主人公もまた知るはずの無い宇宙船の構造をなぜか理解していたりして。
SF的な設定にも関わらずメインは密室の中での推理劇というのは面白かった。
神谷明や古川登志夫など声優陣も豪華で、館内の熱が上昇したりウィルスが蔓延し出したりと次々と予想外の事故が起こり始めるので飽きさせない。

ただ、10人の中では比較的王様や男の娘が目立っていて他の4.5人の見せ場が少なく感じた。
11人目は存在感を隠しておかなければいけないからまだしも、赤鼻とか小人はもっと出番があっても良かっただろうと思った。

11人目の正体というのは流石に今となってはベタになっている真相なものの、戦艦が爆発する瞬間の作画などもハイクオリティで時代を経ても見劣りしない出来のアニメではあると思います。
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