OASIS

アリスの恋のOASISのネタバレレビュー・内容・結末

アリスの恋(1974年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

突然の事故で夫を亡くした女性とその長男が新天地を求めて旅をするというロードムービー。
マーティン・スコセッシ監督の初期作品。

夫の死をきっかけに再び歌手として
の活動を始める母と、それに仕方なく付き従うちょっと生意気な男の子。
両者の絆が深まって行く様子がハートフルに描かれていくのかなと思いきや、意外と母親は放任主義で子供を置いてウエイトレスの仕事をしたり、知り合った男と直ぐに恋人関係になったりと身の置き場がフワフワとしていた。

一方の子供も、ギター教室に通い始め女の子か男の子か分からない子と友達になったりして、お互いが別々の場所でそれぞれ新しい生活を贈っている様子を観ているような感覚。
そして、二人が同じ場所に集まればまた昔のように母と子の関係に戻りじゃれ合ったり憎まれ口を叩いて喧嘩になったりと親子というよりは年の離れた姉と弟みたいな関係に見えた。
二人が狭い部屋で只管水のかけ合いっこをしているシーンは今ある二人だけの時間を精一杯楽しもうという姿が微笑ましかった。

ただ、歌手を目指して旅をするうちめでたくその夢を叶えてハッピーエンドというサクセスストーリーでは無く、母親は歌手よりもウエイトレスとして忙しく働いて男を取っ替え引っ替えし、その場に留まり続けたいと願っているような風にしか思えず。
歌手としてのスキルもそれほど高くは見えない為、夢にするには到底叶わないのではという気持ちに。
次から次へとアリスの前に男が現れるが、それがどれも亡くなった夫と同じく暴力を振るう男ばかりで、結局はそういう男を引き寄せてしまう体質の悲しい女性なのだがそれを感じさせない吹っ切れたような明るさは良かった。

スコセッシ監督らしいキャラクターの周りを忙しなく動き回るカメラワークや編集の面白さが映画の雰囲気を良さげに感じさせるものの、ストーリー自体は平々凡々な印象だった。