このレビューはネタバレを含みます
マーティン・スコセッシ監督、珍しく?女性を描いた作品。
地味かと思いきやとてもいい映画だった!
アリスは旦那を事故で亡くし、12歳になる息子トミーを連れて子供の頃からの夢である歌手で稼ごうとする。だけどなんやかんやあって結局ウエイトレスとして働くことに。
息子は生意気なことばっかり言うし、出会う男に心が揺れながらも毎日は続く。
現代ならわかりやすくアリスの自立を謳うんだろうけど、時代もあってかアリスは男がいなきゃ生きていけないって呪縛から解放されることでストーリーは結ぶ。
亡くなった旦那にはいつも怒らせないようにビクビクしてたこと、自分が悪くないのにそう思ってたとやっと自覚するアリス。そんな彼女がきっぱりと自分の道を好きになったデヴィッドに話す場面がクライマックス。ちびっ子ローラ・ダーンをここで発見!アイス食べてる眼鏡っ娘だよね??
ローラ・ダーンのママ、ダイアン・ラッド演じるフローの蓮っ葉ながらも大胆で豪快なウエイトレスのパイセンキャラがいい。
あと全然仕事出来ない気弱なもう一人のウエイトレス。キャラの全く違う3人の女性のダイナーでの働き方がとても面白かった。
シングルマザーは確かに大変だろうけど、悲惨さにフォーカスせず、リアルな毎日には小さな幸せやムカつくことが散りばめられてる。それがとても現実的でアリスがウエイトレスを不本意ながらも頑張る姿はすごく良かった。
ハーヴェイ・カイテルが短時間なのにめっちゃDV男満開で存在感出していく!笑
そしてジョディ・フォスター。少年のような出で立ちと台詞回し。この2年後にタクシードライバー。流石ですわ。
今見ると大変豪華なキャスト。
エンドロールのピアノ演奏を上から移した映像もオシャレだった。