エイデン

呪怨 黒い少女のエイデンのレビュー・感想・評価

呪怨 黒い少女(2009年製作の映画)
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東京都杉並区のある一軒家に住んでいた松岡が妻の真理子、長男の崇と共に惨殺された姿で発見されるという痛ましい事件が発生し、警察は殺人事件として捜査を始めていた
一方 その家近くのアパートに住む大学生 徹也は、隣に住む美しい看護師 裕子に気があり、何とかお近づきになりたいと考えていたが、何故か最近は挨拶すら無視されてしまっていた
その朝方 目を覚ました徹也は、隣の部屋から裕子が情事に及んでいる声が聞こえて来ることに気がつく
男がいたのかと苛立った徹也が壁にクッションを投げ付けると、声が止むが次の瞬間 凄まじい勢いで壁が何度も殴られるのだった
不気味に思った徹也は、友人である隆太と睦美を呼び相談する
徹也は裕子の様子が変わってしまったことを心配していたが、2人は意にも介さず一家惨殺事件の犯人なのではないかと不謹慎なことを言って盛り上がっていた
とりあえず徹也は2人に留守番を任せ、バイトに出かけるが、下へ降りる階段で裕子とすれ違う
気になった徹也が廊下を振り返ると、裕子の部屋が空いているのを見つけ、そっと中を覗き見る
すると裕子はキッチンで呆然と立ち尽くしており、思わず徹也が呼びかけるとゆっくりこちらを振り向き、正気に戻ったように驚いた顔を見せる
しかしすぐに彼女の顔は恐怖で歪み、徹也がその視線を辿って自分の足元を見ると、突然 黒い手が脚に絡みつき、部屋の中へと引きずり込まれてしまうのだった
既に新たに生まれた呪いが新たな犠牲者を生み出していた



清水崇監督の『呪怨』から始まった映画シリーズ4作目にして、『呪怨 白い老女』と共にスピンオフ的な立ち位置にある作品

いよいよ伽椰子どころか呪われた家みたいなものも関係無くなり、タイトルにある少女を中心に新たな呪いが広まっていく
時系列の異なったオムニバス構成と、『呪怨 白い老女』より更に俊雄くんの出番も少なくなり、怨霊に取り憑かれた人が伽椰子と同じ鳴き声してるくらいしか『呪怨』らしさはほぼ無くなっている

そうした点に目を瞑れば、全くの新しさはあるため、新たな呪いの根源はどこにあるのかが明らかになる楽しさには恵まれている
その一方で『呪怨 白い老女』と同じく、良くも悪くも新しいからこその小綺麗さはあるので恐怖はやや薄れ気味かも
何か普通に怨霊が腹パンで攻撃してくるのは笑った
またシリーズでは珍しく、怨霊と霊能力者のバトル展開にも発展したりするので『コワすぎ!』シリーズ感すらある

正統派ホラーからは少々はみ出してるし、ややチープさが目立つものの、この手の雰囲気の作品が好きな人は好きそう
個人的にもそこまでな印象だけど、怨霊の持つ怨みの原因に対してバカスカ被害者出してたりという不条理なほどの恨みっぷりは嫌いではない
一応『呪怨』シリーズの一角を担う作品になってるのでちゃんと観ような
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