あれ以上何をやるんだ、と誰もが思うが人気作品は続編を作る、というのが映画の難しいところだろう。
この作品の顛末は誰しもが予想しうるベタなものだが、プロセスを結構丁寧に描いているおかげでなかなか楽しめる作品となっている。
前作におけるロッキー×アポロのマッチングは、意外にも二人にとっていい未来をもたらしてはくれなかったということでの再マッチ。
アメリカンドリームを勝ち取ったかに見えたロッキーであるが、思いの外タレント性に乏しくCMすらこなせない、学歴の理由からデスクワークは論外、肉体労働も不況の波でリストラ対象、と「ザ・ノンフィクション」でも見せられているのかというくらい悲しい現実を前半で描く。
またエイドリアンの途中離脱により全く練習に身が入らないという点において、ロッキーが極めてエイドリアン(または”人”)に依存するタイプであるという点も実に人間臭い。
ちなみにくりーむ上田の歴史的名言「ロッキーの撮影じゃないのよ~」のたとえツッコミは初代のことでなく、本作のトレーニングシーンを指していると考えられる。