LA、NY、パリ、ローマ、ヘルシンキの夜を走る、TAXIシチュエーションコント傑作選といった本作(当然コントではないが)。
ドライバーと客の会話劇であり、ロードムービーのようでもある。何も起きないようで、それなりのことも起きる。
ジム・ジャームッシュが鬼才と呼ばれ、その作品が前衛的でアーティスティックと評価されるのだから、難しいことを言おうと思えば幾らでも言えそうだ。
でも、やめる。
それよりも、思いのほか小さなウィノナ・ライダーや、赤鼻を付けるヘルメットおじさんにキュンとしたとか。アフリカ内でもマウントがあることを知ったこととか。白目でエロさを演ずる仏女優に感銘しただとか。本作は、そんな感想で終わろうと決めた。
思考をやめて、感じたままを残したい。
あと今夜、タクシーに乗りたい。